今道 昭一 先生からの回答
アトピー性皮膚炎の診断は検査からされるのではなく、これまでの病歴、皮膚、耳、指間など全身の痒みや皮膚の状態をあわせて診断されなければいけません。
検査は何がアレルギーを起こしているかを確認するためのものです。
アトピー性皮膚炎ではないワンちゃんでも検査が陽性と出ることさえあります。
また、検査の数値が高いからといって強いアレルギー反応を起こしているとは限りません。
そして、治療の目的は検査の数値を下げることではなく、症状を改善させることです。確かに治療によってアレルギー検査の結果が良くなるという文献を読んだことがありますが、このことを私はそれほど重要な問題とは思っていません。
モモちゃんは外耳炎や内股の脱毛があるということですので、検査結果とあわせて診断は慎重に進めて下さい。
また、行動療法も重要です。
皮膚疾患があるワンちゃんにはシャンプーや耳洗浄などのお世話が欠かせませんし、心理的に不安定であったり、恐いという気持ちが強いワンちゃんは痒みに敏感になります。
行動療法で心理的に落ち着きを持たせてあげるようにしてあげましょう。
とは言っても、何でもさせてくれるようになるには相当な覚悟が必要でしょう。
ハウスダストマイト、ストレージマイトを回避しながら生活するのは非常に困難です。
モモちゃん用のタオルやベットを使っているときはベランダにいてもこれらに対するハウスダスト対策が必要です。
ストレージマイトは回避が非常に困難です。
私達もダニ類への対策を実施していますが、その効果に限界はあります。
回避が困難なら治療で症状を抑える必要があります。
治療にはステロイドやアトピカなどを服用するケースが多いです。
どちらも症状を抑えるための治療であって根本的な解決はできません。
その他にも治療法はありますが、中止すると多くのケースで症状は再発します。
どのような治療を始めるとしても、今後は痒がっているかどうかをmomo6023自身が判断しなければいけません。
指を舐める、顔をこする、お尻を舐めるなど些細な行動にも注意して下さい。
観察することでお薬の投薬量や回数を最小限まで減らして副作用を抑え、あるいは症状の悪化を防ぐためにも日頃の観察は非常に大切です。
また、ドッグフードは添加物もアレルゲンになるかもしれませんが、もっと気をつけなければいけないのは蛋白質でしょうね。
肉類、魚、卵、乳製品など使用されている原材料をよくチェックして、何を食べると症状が悪化するかを確認する必要があります。
確かに乳酸菌や各種の薬剤による体質改善が期待できるという情報はたくさんありますね。
この点については私も把握しきれていないのが現状です。
2006/09/08 16:26 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
ご回答ありがとうございます。相当な怖がりですので、それも痒みの原因になったりするんですね。タオルをハウスに敷いているのでコマめに洗濯したり、専用のスプレーを使ったりして、ハウスダスト対策をしてみたいと思います。私の観察がモモにとってとても重要なことだとわかりました。ありがとうございました。
2006/09/15 04:26
北森 隆士 先生からの回答
<そもそもアレルギー検査の結果が異常だからといって犬は痒が<っているのでしょうか?
血液検査の結果はあくまで参考値です。現在、飼い主さんがみて
痒くなければ、それは参考程度と考えてください。ただし、例えば将来ノミが寄生すれば、非常に強い皮膚炎が惹起されるこもしれません。この先生が言われるように、フロントラインは必須と考えてください。
<検査値を低くしていくようなことは可能でしょうか?
可能・不可能というよりも、あまり意味がないと思って
下さい。例えば、アレルギー検査で引っかからない項目が
実は原因(アレルゲン)のこともありますし、10項目が
高くても、その中の一つだけが主原因ということもありま
す。ただ、ノミとハウスダストは、生活するうえで、十分
考慮しなくてはいけませんね。
<無添加のドックフードに変えることで改善は期待できますか?
添加物に反応するようなアレルギーならば改善しますが、
それ以外のアレルギーには関係ありません。また、獣医学的に
無添加のフードなどというものはありません。フードは、全て
何がしかの加工をしているから、あのような形で保存かのうなのです。もし無添加にこだわるのであれば、生食(自家製食)しか
ありません。
<乳酸菌は体質改善に有効なのでしょうか?
体質と言う言葉ではなく、『乳酸菌はアレルギー性皮膚炎に有効ですか』と言う質問ならば、答えは、『獣医学的にしっかりとしたデータはない』ということ、になります。
<今指示されている対策で大丈夫なのでしょうか?
とても大事な指示が出ていると思います。
<ステロイドは一時的に症状を抑えるだけで根本的解決にはなら<ない
誤解を恐れずに言うと、お薬とはそういうものです。例えば、高血圧のお薬だって、飲んでいる間だけ血圧を下げているだけで、高血圧を治しているわけではありませんよ。ステロイドは、そもそも体の中の物質ですから、その他の薬よりもナチュラルです。
しかし、ステロイドは、ある一定の容量を超えてむやみに与え続けると、副作用が起こる・・しかしその副作用は予想される副作用である・・・そのような薬です。大体どの獣医師も、このくらいならば、一生与え続けても大丈夫という用量を把握していると思いますよ。
2006/09/08 18:20 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
ご回答ありがとうございます。アレルギー検査に引っかからない項目がアレルゲンであることもあるんですね。全く知しませんでした。無添加とうたっているドックフードも完全ではないんですね。数日前から、手作りご飯をたべさせています。
人間でも花粉症にKW乳酸菌が効果があるなどと聞いたので、犬にも乳酸菌が効くのではないかと思ったのですが、しっかりとしたデーターはないんですね。いろいろ教えてくださりありがとうございました。
2006/09/15 06:20
アレルギーについて
はじめまして。柴犬(5歳メス未避妊)は気に入らないことがあると咬みます。シャンプー、耳掃除等一切できません。ブラッシングはおやつを与えながら、少しならさせてくれる程度です。
このままでは、皮膚病になってしまうのではないか、もし病気なってしまったらと心配になり、問題行動専門の獣医師のカウンセリングを受けることを決めました。
カウンセリングをし、念の為、病気がないか調べることとなり、麻酔を打って身体検査をして頂きました。
結果は耳がひどい外耳炎になっていました。内股には脱毛がありアレルギーの可能性があるとのことで、アレルギー検査をしていただきました。その日は、耳洗浄、薬浴、飲み薬をいただいて帰りました。
アレルギー検査の結果が出て、あまりの異常値におどろきました。
ハウスダストマイト、ストレージマイト、ノミと全て2500以上という数値で今まで見たことがない、相当痒いはずと先生はおっいました。
対策としては、室内にはいれずベランダにいるのでハウスダストは心配ない。ストレージマイトはドックフードを子袋にし、保管状態に気をつける。ノミはフロントラインを月に1度必ず使用する。というものでした。
問題行動のトレーニングは痒みが落着いてからでないとはじめても意味がないとのことでした。ステロイドのお薬も進められましたが抵抗があります。それを話したところ、アトピカという少々高い薬もあるとのことでしたが、良い薬なのでしょうか?
私なりにいろいろ調べてみていくつかのことを知りました。
・いくら保存状態に気をつけていても市販されている未開封のドックフード にすでにストレージマイトは寄生している
・ステロイドは一時的に症状を抑えるだけで根本的解決にはならない
・体質改善に乳酸菌が有効?
いろいろ情報が氾濫しているので何を信じたらよいかわからなくなってしまい今回ご相談させていただきました。
そもそもアレルギー検査の結果が異常だからといって犬は痒がっているのでしょうか?
検査値を低くしていくようなことは可能でしょうか?
無添加のドックフードに変えることで改善は期待できますか?
乳酸菌は体質改善に有効なのでしょうか?
今指示されている対策で大丈夫なのでしょうか?
お忙しいところ、質問ばかりで大変恐縮ですが、ご回答のほどよろしくお願い致します。