浅川雅清 先生からの回答
こんにちは。
かなり病状が重たく、とても心配な状況ですね。
詳細に経過もありがとうございます。
ご質問がかなりコアなので、一部お答えできない部分があり、申し訳ございません。
まず、内因性コルチゾールとプレドニン(プレドニゾロン)の違いについてですが、プレドニゾロンはコルチゾールの1種であり、内因性コルチゾールはプレドニゾロンを含めた多種類のステロイドの総称だと思って頂ればと思います。
ですので、トリロスタンとして内因性のコルチゾールを抑え、抗炎症薬としてプレドニゾロン単体を使うことは、理論上可能であり、私自身も慎重に使用したことはあります。
1mg/kgというのは、ある程度しっかりした抗炎症作用を期待した量だと思って頂ければよいかと思います。
また、病状としてもプレドニゾロンに賭けるしか、内科治療は方法がなさそうに思えます。
個人的な予想としては、膵炎から肝外胆管閉塞になっているのではないか?と思えるような経過です。
プレドニゾロンで反応が無い場合は、外科的な対応が必要となるかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
2024/07/01 11:34 参考になった! 0
トリロスタンとプレドニンの併用について
お世話になります。
先日、急性膵炎の疑いで愛犬が治療を開始したのですが、愛犬はクッシング症候群でトリロスタンを服用しております。今回膵炎を発症してからコルチゾールの値がこれまでの10倍近くに上がりました。体が炎症を抑えるために出していると思われますが、もともと高かったコルチゾールで既に慢性肝炎があり、それが悪化したのか肝数値も一気にあがりました。
ブレンダと肝保護剤(チオラ、グリチルリチン、グルタチオン)の使用でリパーゼと肝数値は落ち着いてきましたが、黄疸とビリルビン血症、GGTの値が急上昇し、CRPも測定範囲を超えている状況です。
そこでご提案があったのが、経歴を考慮すると内因性コルチゾールが増えすぎているせいで胆汁がうっ滞し、胆嚢炎を起こしている可能性が高い。それをどうにか抑えるため、トリロスタンを増量し、NSAIDが使えない状況なのでブレンダとプレドニンを炎症抑制量(1mg/kg sid)で開始しようというお話でした。
担当医の方のお話では、クッシング症候群で内因性コルチゾールが高い子でも、理由はよく分からないが、外から薬としてステロイドを入れると炎症が一気に引き、状態がよくなることもあるからということです。
これについて、私が疑問に思ったのは
・実際上記のようなケースを他の獣医様もご経験されているのか(もしくは聞いたことがあったり、レポートがあったりするのか)
・プレドニンを入れることで肝炎、胆汁うっ滞が悪化し、ビリルビン血症や黄疸も悪化するリスクが高いのではないか
・そもそもプレドニンとトリロスタンを併用するということはどうなのか
ということです。
ブレンダは抗炎症薬というよりは、これ以上炎症を進行させないようにするための薬だということで、ブレンダだけでは炎症は引かないから、何かしらの抗炎症薬を入れないといけないが、ステロイドとNSAIDが併用できない以上、プレドニンしか選択肢がない。しかし、内因性コルチゾールが胆汁うっ滞の元凶なのであればそれも下げないといけない。というお話を伺っております。
プレドニンが内因性コルチゾールと比較して何か違うのか、1mg/kgというのはどれくらいの強さなのか(内因性コルチゾールのどれくらいに相当するのか)、ということが素人の私はわからないため、飼い主としてはこの治療に関して少々不安を感じております。
もしご意見やお考え、アドバイスなどいただけましたら、大変助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。