中津 賞 先生からの回答
尿量が診断の決め手になります。尿量が一日に10ml程度のときは,急性腎不全といって,腎臓で尿が作られていません。この時は腹膜還流を行って、腹膜で腎臓機能を代行させるか、透析装置を使って血液を透析して、尿毒症物質を少しでも減らして、腎臓機能の回復を待ちます。2週間以内に機能が回復してく場合が有ります。逆に、たくさんの薄い尿を排泄しているときは慢性腎不全といって腎臓の濾過膜が変性して,排泄したい物質が濾過できず,また再吸収したい水分が再吸収できずに,血液中に、尿毒症物質が溜まってきます。5.5という数値はクレアチニンかもしれません。これはかなりの高値です。正常値は2まででしょう。この時はたくさんの輸液をして,少しでも多くの尿を作らせて、、尿毒症物質を減らします。いずれも,入院治療が必要です。血管は留置針を設置すれば毎回血管を穿刺しなくても良いので,ネコも楽です。ネコは今は寿命20年の時代ですから、治療を受けて、まだまだ長生きさせてあげてください。血液中の尿毒症物質が減少しますと食欲が回復します。
2006/09/10 15:16 参考になった! 0
投稿者 Tomahawk さん からの返答
衛藤先生、お忙しい中、敏速かつご丁寧な返答を頂き、心から感謝致します。
我が家の猫ですが、昨日一旦帰宅後からは殆ど動かずにグッタリした状態が続いておりますが、尿はそこそこの量がでていて、また強制的にですが水と栄養食もかろうじて吐かずに食べてくれています。
それでもやはり自分の家に帰ってきた為か、とても穏やかでリラックスした様子です。
本日は休診日につき、明日朝一番に病院へ行き、担当の獣医さんと相談し、毎日通院での輸液にするべきか(家族の希望はこちらです)、あるいは再々入院して回復に賭けてみるか話合ってみます。
この度は本当にありがとうございました。
2006/09/17 03:16
尿結石による急性腎不全の治療後の対処
はじめまして。 アドバイス頂けましたら幸いです。 よろしくお願い致します。
雑種猫の雄(13歳、去勢済み、完全室内飼育)です。
二週間前、今まで特に問題も無く、元気だった猫が急にオシッコをしたくてもチョロチョロとしか出ず、何度もトイレに行くので翌日すぐにかかりつけの獣医さんに診て頂き、診断結果は尿結石。 その時に平行して行った血液検査では肝機能に若干高い数値のものがあったものの、腎機能は問題無し。
点滴、尿に管を通して尿を出すなどの対処を2日の入院でやって頂き、尿が出るようになり退院。 帰宅後は尿は出るようになったものの、元気も食欲もまったくなかった為、翌日再び獣医へ。
再度の血液検査の結果、腎臓の数値に異常がある為(色々見せて頂いたのですが、憶えているのはこれが良くない、と聞いた5.5くらいある数値でした)、再度入院。 診断結果はおそらく急性の腎不全、との事。
9日間に及ぶ入院治療をして頂いたのですが、水は飲むものの、引き続きまったく食べず。
すでに両後ろ足、片前足は点滴による治療の為に肌荒れが酷く、点滴治療をするにしてももう残った前足一本しな無いとの事。
一旦ストレスの無い自分の家に連れて帰ってもらい、食べるようになるかみたらどうか?との事なので連れて帰ってきました。
帰宅後は入院前よりも更に元気が無く、体重も3割強も減ってしまいました。
皆が現在の担当医を信頼しているものの、元々家族内では、すでに高齢と言える我が家の猫に対し、無理に病院で薬漬けにして弱らせるよりも、最後まで家で静かに余生を、という意見と、私の積極治療論で対立しており、今の我が家の猫の状況を見ると、それみたことか、という空気があり、自分も無理に入院治療をさせない方が良かったのか、と悩んでいる次第です。
現在は処方して頂いたコバルシンと、チューブ状の高栄養食を中心に強制的に口に入れてあげている状況です。
担当の獣医は2日ほど様子を見てそれでも食べなければまた連れてくるように、との事ですが、このような状況となってしまったら、もうあとは無理な事をせずに家でゆっくりさせてあげた方が良いのでしょうか? また、今後特に気をつけるべき点などありましたらどうかご教授お願い致します。