北森 隆士 先生からの回答
免疫療法といっても、①細胞免疫療法、②ワクチン、③免疫活性をうたっている草の葉っぱやキノコをつかう民間療法と、色々あります。
質問は、①のことでしょうか?
現在②であれば、米国でメラノーマに対するものが最近新薬として認可されたようですが、他の腫瘍ではまだです。③に関しては、・・・・・でしょう。
色々な腫瘍の治療を調べる時に、最も良い情報は、(ヒトの)国立がんセンターの情報です。犬専用の抗がん剤や、犬専用の放射線療法などないわけですから、最も先端のヒトの情報が、犬の場合も考慮されるべきなのです(つまり、ヒトの●●ガンに効けば、犬の●●ガンにも当然効くわけです)。
ご質問の免疫療法ですが、おそらくLAK療法か、TIL
療法のことだと思いますが、ヒトの医療では、まだ保険適用をうけていません。つまり効果は今だ?ですが、理論的な先端療法であり、保険適用外診療でその治療を導入しているところもあるようです。
↓ガンセンターのHPです、LAK療法か、TIL
療法のところを、よく読んでください。
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/dia_tre/treatment/meneki.html
さて、そのような背景があって、あたらめてご質問に答えると、
①可能性はあるが、(犬の場合も)はっきりとしたデータは無い。ヒトの医療現場のことも考慮すると、LAKよりTILの方が期待できる
②①と同様。
③ヒトの医療の現場と同様で、一般的ではないが、先端医療として、可能性にかける方がいる。
④おそらくそうでしょうが、これは、実際の担当の医師に確認すべきだことだと思います。
⑤おそらく重篤なものはないと思います。
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免疫療法は、今だ明確なデータはありませんが、確かに
先端の治療技術の一つだとだと思います。担当の先生や、
実際に免疫療法を行う施設などで十分お話を聞いて、
悔いの残らないように、治療してあげてください。
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ちなみに、肝臓のガンで、全体に広がってなく、
一部に限局しているタイプならば、腫瘍の外科の専門医
であれば、手術で摘出可能だと思いますし、延命効果の
データもあると思います。手術を行える施設は限られる
と思いますが。
今回の質問とは別に、例えばCTをとって、場所を確認
して、肝臓部分切除術も考慮されては如何でしょうか?
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お大事にしてください。
2007/09/03 18:24 参考になった! 0
投稿者 たかし さん からの返答
北森先生。
お忙しい中、ありがとうございました。
免疫療法がまだまだ途上段階であることがよく分かりました。自分自身も癌にかかる可能性があるわけで、人、動物ともに一刻も早い医学の進歩を祈るばかりです。
病院の先生と相談し、最もよい結論を出したいと思います。
2007/09/10 06:24
免疫療法について
お世話になります。
私のペット(犬11歳)の血液検査で異常があり、GPTが正常値の1.5倍と高く、血小板は少なく41000となっていました。そこでレントゲンとエコーを取ったところ、脾臓にしこりが見つかりました。
悪性の腫瘍であった場合、すぐに取り除く必要があるということで脾臓の摘出を行いました。しかし、肝臓にも異常があったようです。現在検査の結果待ちで、腫瘍でないことを祈るばかりです。しかし腫瘍であった場合、抗癌剤の使用について選択を迫られると伺い、家族全員ショックを受けました。
抗癌剤を使って数ヶ月延命できたとしても、副作用に苦しむようなら抗癌剤の使用は見送ろうと考えています。
癌の治療法について必死に調べたところ、外科・抗癌剤以外にも免疫療法という方法が確立されつつあると分かりました。藁をも掴む思いなのですが、まだまだその効果については懐疑的とされているとも書かれていました。
そこで、この免疫療法について数点教えていただきたいと思いました。教えていただきたいことは
1、免疫療法によって延命効果がありますか?
2、免疫療法によって抗癌剤の副作用を減らし、QOLを高めることは可能 でしょうか?
3、犬の世界において、がん治療に免疫療法は一般的でしょうか?
4、抗癌剤を使用する前に血液を保存した方が効果が高いのでしょうか?
5、最後に、本当に副作用は存在しないのでしょうか?
もし、この方法が可能で副作用が少ないのであれば、抗癌剤とともに積極的に先生にお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。