栗尾雄三 先生からの回答
獣医師の栗尾と申します。
病歴や症状の進行具合から察すると、やはり心臓病や肺水腫などの疑いが強そうです。膵炎の主症状は嘔吐や血下痢、腹痛なので、吐いたのが一度だけで命にかかわることはないように思えます。
ちなみに息を引き取る際に、鼻や口から、赤っぽい液体が出てきませんでしたでしょうか?出てきたのであれば肺水腫で間違いありません。
4月と5月の段階で判明することができたか、ということですが、まず難しいと思います。心臓病の主症状は咳や失神、痩せてきたなどです。そういった症状がなければ疑わずに除外されます。膵炎も嘔吐などが何回もあったわけでなければ検査することはあまりありません。やはり診断項目から外されます。あくまで食欲がなかったり、元気がなかったりということなので、点滴をうってなどの対症療法は問題ありません。実際にそれで元気になっていたということなので、なおさらです。そして、何カ月も前の出来事が直接の死因につながることもほとんどありません。
ご理解いただきたいのは肺水腫というのは本当に危険な状態であり、1時間以内くらいで急に起こることがあるということです。
それよりも個人的に気なるのは処置の内容です。
「点滴ソルアセト、ホスミン、プレドンゾタン?」
とありますが、利尿剤の投与や入院の提案は無かったのでしょうか?
さすがにあったとは思うのですが、それが無かったとすれば問題かもしれません。ただ、ホスミンというのが何の薬剤か不明です。
あとは肺水腫を引き起こしている症例に対して、ソルアセトの点滴もかなり注意をしないといけません。少なくとも利尿剤の投与なしにソルアセトの点滴は危険かと思います。
前日はそれなりに元気だったということなので心臓病はかなり気になりますが、果たして、それに対する治療として最善だったかは気になるところです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三
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2021/09/10 09:00 参考になった! 0
投稿者 のん さん からの返答
栗尾先生
お忙しいところ、ご丁寧に分かりやすいご回答ありがとうございます。
亡くなった後に体を動かした時に血の様な液体が鼻?から何度か出てきました。
何なのか気になっていましたが、肺水腫のせいだったのですね。
私も亡くなった後ですが、気になって色々調べていたら、肺水腫には酸素室と利尿剤は欠かせない事を知りました。
しかし、入院の提案はなく、利尿剤の説明もありませんでしたので、おそらく投与されていないと思います。当日投与した薬を書いた紙を頂きましたが、そこにも書いてありませんでした。それどころか、翌日の様子を見て膵炎の特効薬?ブレンダの投与をする説明を受けました。
昔からある有名な動物病院です。
肺水腫に利尿剤は素人の私が調べてもわかるような初歩的な処置のように思いますが、有名な動物病院の先生がこの処置を知らないなんてことがあるのでしょうか?
今まで山ほどのわんちゃんを診察していると思うのですが。。
あと、肺水腫にはソルアセトは使わない薬なのでしょうか?
悪化させるような?帰宅してどんどん悪化していったのはその薬が体内に吸収されていったせいもあるのでしょうか?
いくら考えても愛犬が帰って来ないことは理解していますが、もしあの時、利尿剤を投与して酸素室に入っていれば助かったのではないかと思うと、とても悔しくて、、
そして、無知な飼い主で申し訳ない気持ちでいっぱいです。
2021/09/10 23:11
再び 栗尾雄三 先生 からの回答
膵炎のことで頭がいっぱいになってしまい、肺水腫の治療を最優先とすることができなかったのかもしれません。膵炎の際にはリパーゼ値を一番意識しますが、371では膵炎の治療を積極的に行う必要はありません。
ただ、一方で、CRP値が低かったというのも迷わせる要因ではあります。肺水腫のときにはCRPが高くなっていることが多いので。とはいえ、肺水腫の治療が確実に優先度は高くなります。
膵炎では点滴をそれなりに行うべきですが、肺水腫の場合はほとんどするべきではありません。そこが相反する治療となり迷わせてしまうこととなってしまったのかもしれません。
(あとは、想像でしかありませんが、診察の開始が遅くなってしまったことは、獣医師の判断が間違えやすい時間帯となっていた可能性もあります。診察する側も人間ですので。。)
肺水腫にソルアセトを使わない訳ではありませんが、使うのであれば、絶対に利尿剤が必要です。利尿剤無しにソルアセトを投与することは相当に危険です。ちなみにソルアセトはただの塩水くらいに考えてください。ポカリスエットのようなものです。水分補給には良いと思いますが、残念ながら肺水腫の場合は、反対に水分を抜いてあげないといけません。肺水腫のときに私はほとんど点滴はしません。するとしても非常に少量にします。
そうですね。利尿剤を投与して酸素室で管理するのが、ゴードルドスタンダードな治療となります。担当された先生もさすがにそれを知らないはずがありません。
判断が鈍くなるくらい疲れていたのか、入院スペースが確保できない理由があったのか。あとは心臓病は突然死がつきものなので、入院を嫌う先生もいます。
確かに考えても仕方のないことだとは思いますが。。
間違いなくいえるのは病院Aは何も間違いは起こしていませんよ。
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konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三
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2021/09/10 23:43
投稿者 のん さん からの返答
栗尾先生
お忙しいのに度々ご回答ありがとうございます。
そうですね。
仰ると通り、時間も遅かったので、疲れていて判断力が鈍っていたのかもしれませんね。
CRPの数値が迷わせたこと、、など、栗尾先生のご意見で色々と腑に落ちました。
いつもの病院の診療が終わっていた時間帯だったり、受診出来た時間帯だったり、勘違いが致命的な処置をさせてしまった事だったり、簡単な言葉でまとめたくはないですが、きっと運が悪かったということですね。
そして、病院Aは間違っていなかった事も知れて良かったです。
悲しみや後悔や悔しい気持ちは変わりませんが、なぜ?というモヤモヤした気持ちは栗尾先生のおかげでスッキリしました。
あるかわかりませんが、またわんちゃんを迎える事があれば、この知識はかなり役立つと思います。
勉強になりました。
お忙しいところ本当に本当にありがとうございました。
2021/09/11 12:16
再び 栗尾雄三 先生 からの回答
ご連絡ありがとうございました。
少しでも参考になりましたでしょうか。
お手数ですが、以下より評価をいただけますとうれしく思います。
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2021/09/12 22:48
死因について。
先日他界した愛犬について、何かできることはあったのか?もっと早く気づいていたら助かったのではないか?直接の死因は何だったのか、ずっと気になっています。
以下経緯です。
4月27日食欲と元気が無いのでいつも行っていた病院Aへ。血液検査をして、数値が悪いところに対して?点滴を打って頂き様子を見て下さいとのことで帰宅。
数日経ち少し良くなったように思いましたが、5月6日また元に戻り食欲と元気なくいつも行っていた病院Aへ。
血液検査をして、前回より悪い数値の部分があり点滴を打って頂き帰宅。数日で食欲も元気もあり、回復したように見えいました。
4月27日も5月6日も血液検査のみでした。
8月20日母が散歩中に動かなくなったそうで抱っこして帰ってきたと聞きました。足が痙攣?したように見えたとのことでした。実際見ていなかったので、挫いたのかな?と思って夜様子を見ましたが、数時間後には普通に戻って翌朝には食事も問題なくしていたので、病院には連れて行きませんでした。
9月5日朝ごはんも普通に食べて元気に見えていました。18時頃、散歩中に突然立ち止まり、立ったまま下を向いて動かなくなりました。抱っこすると小さい声でキャンキャンと鳴きました。そんなこと今までなかったのでビックリして家に連れて帰って1時間程様子を見ていましたが、ヨタヨタしながら横にもならずお座りもせずずっと立っていました。ベットに連れ戻して横にならせても、しばらくするとまたヨタヨタ立ち上がり立っていました。呼吸は目に見えて荒いということはなく動かない事以外に異常は見た感じなかったです。
明らかに今までと違う症状でおかしいので、時間の都合上いつもと違う近くの病院Bに連れて行きました。混んでいたので診てもらえたのは24時前でした。自宅で病院からの連絡を待っていた間に1度だけ黄色と白の泡のようなものを少し嘔吐しました。
血液検査とレントゲンをとっていただき、心臓肥大と肺水腫と膵炎で危険である事を告られました。点滴ソルアセト、ホスミン、プレドンゾタン?を打って頂き、また翌日来るよう言われました。容態をみてブレンダを使うとのことでした。
帰宅すると更に容態は悪化し、フラフラにながら立ったり横になったりを繰り返していましたが、3時頃には立ち上がる事も辛そうになりました。4時頃には呼吸が乱れてきました。呼吸の度にヒューヒューと音がしていました。5時過ぎにはヒューヒューという音もなくなりスースーと口の間から空気が出る音になりました。6時頃荒かった呼吸が静かになりしばらくして息が止まりました。
前日も食欲もあり便も普通で嘔吐もなく元気に過ごしていたように見えたのですが、我慢していたのでしょうか?
異変に気づいて12時間で他界してしまい、まだ信じられません。
4月と5月の診察時にレントゲンをとっていたら心臓肥大や膵炎が分かって対処できていたのではないか、何かもっとできた事があったのではないか、4月と5月に近くの病院Bに行っていればと後悔しかありません。
血液検査の結果も添付しておきます。
何かわかる事や、見解を可能であればご教授ください。