飯島 治 先生の過去の回答履歴一覧|2ページ目
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何らかの抗原に対する高い特異性を示した結果が出ているのでなければ,アレルギーのことは少し横に置いておいて,しっかりとした感染症の検査を一度してみることをお勧めします.
特に「脂漏性皮膚炎」なのであれば尚更です.ほとんど(全て?)マラセチアの感染症で,薬物で治療できます.
「できるだけ薬の力を多用しないでやっていく対処療法を見つけて、」とのことですが,感染症でないことを確認した後で考えるべきことです.食事療法等をお考えかと思いますが,いずれも感染症にはほとんど無力だからです.更に,「アレルギーと診断されたがなかなか良くならない」という動物で,検査したら単純な感染症だったという例を多く経験しているからです.
アレルギー性皮膚炎を軽視しているわけではありませんよ.僕のところにもアレルギーやアトピーの動物はやって来ます.
ただ,本当にアレルギー性皮膚炎であれば,難しい病気ですし,治療に...2006/09/07 18:46 -
- 質問カテゴリ:
- 尿の異常
- 対象ペット:
- 犬 / スタンダードダックスフンド(ロング) / 性別不明 / 年齢不明
膀胱に結石が留まっている限りは,痛みは感じません.
尿中に結晶が析出していませんか?
ストルバイト結石の治療は,s/d以外にも様々な方法がありますから,他の方法を試してみるといいかもしれません.
他のメーカーから多くの処方食が出ていますし,尿のpHを下げる薬を使ってもいいですし,漢方薬を選ぶこともできます.
また,ダックスで急に痛みが来てソファーに上がらなくなったのなら,椎間板ヘルニア等の可能性も考えるべきでしょう.
ストルバイト結石の場合でもなんんでも,痛そうにしているのを我慢させてはいけないと思います.結石が原因だとしたら結石の治療は時間がかかるのですから,我慢させないで,s/dがだめだとしたらそれ以外の方法を試すことをお勧めします.
また,口の廻りや股のあたりの脱毛が観られた場合は,私でしたらアレルギーを疑う前に,まず微生物学的な検査を行います.
アレルギーと診断されたがなかなか...2006/08/30 19:15 -
- 質問カテゴリ:
- 尿の異常
- 対象ペット:
- 犬 / ゴールデンレトリバー / 性別不明 / 年齢不明
血液検査で白血球が多いのでしたら,細菌性の膀胱炎であった可能性が最も高いと思います.「膀胱炎の薬」も,抗生物質だったのではないでしょうか.5日間では治りきらないこともあるでしょう.「出血性膀胱炎」というのは,何らかの原因で結果として出血を伴った膀胱炎,というような意味で,正式な疾患の名称ではないと思います.
ちなみに,餌や体質の問題で起こる結石(結晶)が原因で出血する膀胱炎も非常に多くあります.また,細菌性のものでも菌の増殖がひどくなると尿のpHが上昇し,物理的に結晶が生じて尿道を傷つけることもあります.この場合も当然出血します.
メスの場合は尿道が短いので,細菌性の膀胱炎にかかりやすいです.健康な状態でも尿道から菌が逆流して入ろうとしてますが,通常は定期的に排尿するので菌もフラッシュされて膀胱に到達することはありません.オシッコを我慢すると膀胱炎になりやすいというのは,これが原因です...2006/08/30 18:57 -
- 質問カテゴリ:
- 尿の異常
- 対象ペット:
- 犬 / ジャックラッセルテリア / 性別不明 / 年齢不明
Interstitial cystitis 又は idiopathic cystitis と呼ばれることもあります.それぞれ「間質性膀胱炎」,「突発性膀胱炎」などと訳されていましたが,最近は「間質性膀胱炎」に収束してきたようです.
通常,膀胱炎というと細菌性膀胱炎を指すことが多いですが,これは非感染性の膀胱炎で,膀胱壁の間質という場所に炎症が起こり(そのまんまですね),排尿痛,頻尿などを伴う難治性の慢性疾患です.原因は不明で,有効な治療法も確立されておりません.
本来はヒトの病気として認知された疾患です.ヒトの間質性膀胱炎は10年程前から日本でも少しずつ知られてきましたが,まだ一般的ではないようで,治療できる(している)病院も限られるようです.所謂,尿路系不定愁訴(排尿時等に様々な不快感を感じる,原因がハッキリ分からない病状を全部ひっくるめてこう呼ぶ)のかなりの部分にこれが含まれると予想されてもいますが,しっかりした研究はされて...2006/08/10 17:28 -
フィラリア症は,治療可能です.
大まかに分けて3種の方法があります.
1.通常のフィラリア予防薬を冬も休まずに通年投与する方法.通常6-7年の寿命がある(教科書によって記載は異なります)虫の寿命を短くしてしまおうという方法です.通常,1年半から2年半程で駆除できます.フィラリアが存在し続ける限りは症状が進行するので,フィラリア症の症状が出てきてしまっていると,使えないこともあります.全てのフィラリア予防薬がこの方法に使えるとは限らないようですので,獣医師と相談する必要があります.
2.フィラリアの駆虫薬を注射する方法
イミトサイドという注射薬を,数週間の間隔を開けて2-3回注射します.短い間に駆虫することができますが,血管の中にいる虫が一度に纏まって死ぬと肺に詰まって重篤な副作用を呈することがあります.死亡することもありますし,虫の死ぬタイミングをコントロールすることはできませんので若干...2006/08/09 18:29 -
- 質問カテゴリ:
- 尿の異常
- 対象ペット:
- 猫 / スコティッシュフォールド / 性別不明 / 年齢不明
尿検査をしたようですので,結石症の可能性はないと考えて良いのでしょうか?そのあたりはちゃんと説明は受けたことと思います.
文章を読むと慢性腎不全の初期と診断されたようですが,急性腎不全との鑑別もしっかり為された上で治療を開始し,それでも出血が止まらずに血餅も出てきているというのでしょうか?
慢性腎不全の初期で出血が止まらないというのは,あまり無いように思います.泌尿器系の腫瘍か,もう一つ,あまり一般に知られてはいないのですが,間質性膀胱炎の疑いもあると思います.
オシッコは普通に(大量に)出ていますか?
水を飲む量は増えていますか?
排尿時に痛がっていませんか?
むしろ少量の尿を頻回に排尿するというようなことはありませんか?2006/08/07 15:33 -
- 質問カテゴリ:
- 目の異常 / その他
- 対象ペット:
- 犬 / ミニチュアダックスフンド / 性別不明 / 年齢不明
「生まれつき目にブルー部分がある」だけではなんとも答えようがありません.目のどの部分がブルーなのでしょうか.この写真では全く分かりません.
残念ながら,今後どういったことに気をつけていけばいいかも,もちろんお答えしようがありません.
また,タイトルの「ブルーアイ」ですが,これは獣医師がその犬に対して下した診断名でしょうか?
「ブルーアイ」は肝炎青眼ともよばれる急性眼疾患の名称です.実際に目(角膜部分)が青くなったように見えるのですが,本態はアデノウイルスによるブドウ膜炎と角膜浮腫です.もしそれでしたら,適切な処置をすれば比較的簡単に直すことができます.
地域性や日照時間が関係しているのかどうかは分かりませんが,こういったネット上での質疑にはなじみにくい質問だと思います.どんな国にも必ず獣医師はおりますので,実際に一度診てもらうことをお勧めします.2006/08/07 14:10 -
- 質問カテゴリ:
- その他
- 対象ペット:
- 犬 / ミニチュアダックスフンド / 性別不明 / 年齢不明
微妙な問題ですね.
現在私が使用しているワクチンの能書(薬物の使い方の基準が書いてある文書.製薬会社が作成するが,御上の検閲済み)には,初回のワクチン接種に関してはハッキリと「2回」と書いてあります.従って,私は特別な理由がない限り,3回目の接種を希望される方には,理由を説明してお帰り頂きます.無駄にお金を使わせてしまうことになりますからね.
ただし,「3回接種」の元になっている考え方もある程度想像できますし,必要だなと思った場合は,説明をした上で接種することもなくはありません.
ワクチンは生ものです.同じように製造しても,ロットごとに微妙に違いますし,場合によっては期待したような性能を発揮できずに(試験的接種で抗体価が上がらずに),製造後破棄しなくてはならないような場合もあります.難しいんです.なにしろ,発症はしないように工夫してありますが,もとはウイルスや細菌(の一部)なんで...2006/08/07 13:47 -
- 質問カテゴリ:
- 皮膚の異常
- 対象ペット:
- 犬 / ミニチュアダックスフンド / 性別不明 / 年齢不明
文章のみから症状を想像するのは難しいのですが,少し書いてみます.
皮膚に湿疹を起こすような病気の原因は,おおざっぱに分けて4種類に分けられると思います.何か他に病気があり,その症状の一部が皮膚に出る,というようなものは除いて考えます.
1.病原性細菌の感染による細菌性皮膚炎
2.病原性真菌の感染による真菌性皮膚炎
3.外部寄生虫の感染による寄生虫性の皮膚炎
4.様々な原因(外因性・内因性)によるアレルギー性皮膚炎
実際に診察した獣医師が,これらの内から最も可能性が高いと思われる原因から一つずつ検査(または問診の場合も)をして,原因を探りながら適切と思われる治療をしていくことになります.
これらの内,1と2に関しては,見ただけで診断が下せることはまずありませんので,微生物学的な検査(培養)をしなければならなくなる場合が多いです.私の病院では必ず培養を行います.
細菌が原因であれば適...2006/08/07 12:49