だいじょうぶ?マイペット

手術の必要性・意味合いについて

質問カテゴリ:
背中・腰を痛がる / その他

対象ペット:
/ ダルメシアン / 性別不明 / 年齢不明

質問者:
--- / 非公開中の会員

 
2006/01/11 13:50

ご相談させて下さい。
愛犬ダルメシアン(9歳)に手術を受けさせるべきかどうか迷っております。
現在の症状・治療は下記の通りです。

◆現在の症状
(1)肝臓のGPT値が正常値の約5~6倍ある。
レントゲン・エコー検査では腫瘍性か炎症性かの判断がつかず、約2年かけて数値が上昇しているため慢性・薬物性・ウイルス性でもないとの診断。
レントゲンでは腫瘍のような丸い形の物が写っているようにも見えるが、
白血球の値も正常値より高いため何かしらの感染症を起こしている可能性もある。

(2)加齢による脊髄の3番4番にズレが生じており、
背骨を圧迫している。
この症状により脊髄から派生している毛細血管・内臓に負担が掛かり下痢・便秘等の症状を繰り返す。
現在は起きるのも困難。
右後足に痛みを感じるようで3本足で歩行している。
椎間板ヘルニアの検査は行っていないがその症状になっている可能性も大きい。
 
◆先天性の症状
10万頭に1頭位の割合の先天的な免疫不全の持病がある。
稀に針等に反応し水が溜まったり腫瘍が出来る。

◆現在行っている治療
○強肝剤と抗生物質を服用し肝臓の数値を観察。
○ビタミンE治療により免疫力アップを図る。
○内臓負担軽減とアレルギー治療のため現在まで医師処方の特別食を与えている。

主治医の見解は、
全身麻酔は一度きりにしたい。
肝臓の原因をはっきりさせ腰の治療に入りたい。
CT・MR・組織病理検査いずれも全身麻酔が必要となる。
ならば開腹手術をした方が早く負担も最低限ではないか・・・ということです。

私見としましては、
腫瘍が原因で取り切れた場合は幸いですが、
それ以外の炎症性等の場合開腹は無意味であり、
また腫瘍の進行が思いのほか進んでいた時(末期)は、
内臓を空気に触れさせる事によりわざわざ早い死期を招く結果になることを懸念しております。
体力的・精神的に相当の負担が掛かる手術に対し、
決断できずにいる状況です。

そこで先生方にお伺い致します。
肝臓を手術する意味合い・必要性を教えて下さい。
他に考え得る治療法・可能性はないのでしょうか?

飼主として最も望ましいのは、
開腹せずステロイド等も投与せず脊髄も肝臓も根治させることです。
可能な限りの選択肢の中から各々のメリット・デメリットを理解した上で最善の方法を取りたいと考えております。

ご回答の程よろしくお願い申し上げます。

可能であれば最新のCTを有する施設でCT検査を行った方が良いと思います。スキャンの時間は15分程度ですし、開腹手術に有する時間よりも短いですよ。また、CTをとってそのまま手術に移行することも可能です。CTにより肝臓ばかりでなく、脊髄の検査も同時に可能ですしね。

例えば、肝臓に腫瘍があったとして、それがどこまで組織を障害してるかは眼で見るだけではわからないこともあります。肝臓の大きな血管近くにあれば、手術自体も行わない方が良い場合もあります。それを見極めるために、つまり病態を含め、本当に手術可能かどうかを調べるためにも、まずは高度なCT画像診断が必要です。

加えて言えば、超音波検査も、超音波画像診断装置のグレードによってまったく診断精度が異なります。CTが無理であれば、更に上位機種の装置を有する大学病院レベルの施設でセカンドオピニオンを求めてみては如何でしょうか?

バイオプシー(病理検査)も、ちゃんとCTをとって場所を確認するやり方か、あるいは超音波でガイドするやり方が良いですよ。

<肝臓を手術する意味合い・必要性を教えて下さい。
肝臓の腫瘍だった場合、発生部位によっては摘出手術後、延命率が上がるというデータがあります。

<ビタミンE療法・・・
ビタミンE療法に関してですが、人の方では高濃度投与で死亡率が上昇すると言う報告が多く最近では危惧されている治療法です。犬ではまだそのような報告はありませんが、そもそもフードに過量に含有されている状況も考慮すれば、安易にその療法に頼ってもいけません。

<他に考え得る治療法・可能性はないのでしょうか?
疾患名が特定されない限りは、なかなかお答えできません。

投稿者 さん からの返答

北森先生、ご回答ありがとうございます。
CTをとって、必要であればそのまま手術に移行することも可能なのですね!
一度の全身麻酔で多くの治療ができるのであれば、それに越したことはありません。
ただ、主治医の先生には、大学病院でのCT検査は2ヶ月待ちと言われています。
悠長なことはできませんので、セカンドオピニオンを求める方法も検討したいと思います。
貴重なご意見、感謝致します。

 今の状況では、Y&Sさんの望まれる治療は無理かと思われます。なぜなら、あまりにも情報が不確定であり、不足があるからです。確かに、治療の負担も考えなければいけませんが、治療を躊躇する負担も考えなくてはいけません。確かに、手術やステロイド投与は、ある一面から見れば良い治療法ではありません。が、逆にそれ以外苦痛を取り除く方法がない病気も数多くあります。今は、選択肢があまりにも少なく、むしろ治療の可能性を小さくしていると思われます。
 ただ、現状での開腹手術はあまりお勧めできません。まずは、エコーでしっかりとした診断や所見をとること(腫瘍か腫瘍ではないのか)、無麻酔での肝臓生検が出来ないのか(吸引生検であれば可能なことが多いのですが)、これが無理であればCTやMRIを考えるべきです。この結果から、手術を考慮するべきで、麻酔の回数を増やす危険よりも、順序を守らない危険の方がむしろ高いと思われます。
 もし、肝臓の腫瘍の場合、大半は悪性所見を示しますので、進行が遅いことは腫瘍ではないことを示唆するかもしれません。仮に、肝臓腫瘍であった場合、手術で根治することは難しく、大抵は再発や転移を起こします。しかし、完治できないから意味がないわけではなく、苦痛を減らす事には十分効果があり、結果寿命が延びることにもつながります。
 また、ダルメシアンに特有の肝疾患もありますが、これは考慮されているのでしょうか。

投稿者 さん からの返答

検査や治療に制約があるラブに、どの治療法がベストなのか考えあぐねております。
“無麻酔での肝臓の吸引生検”という方法は存じ上げませんでした。
早速主治医の先生に伺ってみようと思います。
お忙しい中貴重なご意見を頂戴し、大変参考になりました。
ありがとうございました。

こんにちは、獣医師の橋本と申します。
随分と大変な状況に成っておられるようですね。

単刀直入に申し上げますが、
Y&Sさんが、最も望ましいとされている方法では、
根治は難しいと思います。
原因がわかって、初めて治療法が確定しますし、
その病気の治癒の可能性も判断できる訳ですから、
原因究明をせずに根治させるという事は不可能です。

開腹手術を行い、肝炎を確認しただけでは、
無意味だとのご指摘ですが、
肝臓で起こっている事を確認する事が、
意味の有る事なのです。
手術後の治療法が変わらなかったとしても、
その治療が、間違いなく適切であるという事が、
確認できて行う治療と、
未確認のまま、これで良いだろうという、
推測の元に行っている治療では、天地の差が在ると思います。
これまでの2年間も、ただ漫然と
放置されていたわけではないでしょう?
なんらかの治療を施していても、結果が現れなかったのだと、
思います。
今までの治療は適切だったのでしょうか?
適切だとしても治らない病気だったのでしょうか?
それとも、他に適切な治療法が有ったのでしょうか?
他の方法なら治っていたのでしょうか?
これからの治療は、適切でしょうか?
どんな方法をとっても、治らない状況なのでしょうか?

これらの疑問に答えを得るためには、
肝臓のバイオプシーが必要に成ると思います。
エコーやMRI、CTなどを行っても、
肝臓が正常でない事は判っても、
何が起こっているかは判断できません。

Y&Sさんが知りたい、
ラブちゃんを治す事に必要な
治療法や可能性を知る為に、
肝臓の手術が必要なのです。
これが、手術をする意味合いと必要性です。

手術に耐えられるか、
術後の回復が順調にいくかは、
現在の状況しだいですから、
主治医の先生の判断に拠るしかないでしょう。
耐えられないかもしれないのに、
手術を行うべきかどうかは、
獣医師と飼い主で相談して決めていくしかないですね。

投稿者 さん からの返答

“手術をする意味合いと必要性”、よく分かりました。
手術後の治療法が変わらなかったとしても、
肝臓で起こっている事を確認して適切な治療をする・・・橋本先生のおっしゃる通りですね。
先生のご意見を踏まえ、主治医の先生にもう一度よく相談してみます。
リスクも含め納得のいく治療法を、ラブのために私が選択してあげたいと思っております。
お忙しい中真摯なご意見・ご回答に感謝致します。
有難うございました。

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