北森 隆士 先生の過去の回答履歴一覧|8ページ目
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おそらくほとんどの獣医師、飼い主は、イヌは夢を見ると
信じていると思います。科学的な証明ですが、猫ではかなり前に
レム睡眠を発見したグループによって報告されています(たぶんイヌでも同様でしょう)。
脳の科学の専門家ではないので、数年前に読んだレポートから私の知りうる限りを書くと、
レム睡眠を発見したグループは、脳波をとりながら次のような、興味深い実験を報告しています。
ヒトでは夢を見ている間(レム睡眠中)は、運動神経中枢の活動は遮断されています。これは、夢の世界での活動が、実際の行動に現れて怪我などをしないためのメカニズムと考えられていますが、逆に、この遮断を解除することによって現れる行動から、夢の内容を推定できる可能性があります。
研究グループは、ネコでその実験を実施しました。レム睡眠中(これは脳波で判断します)、薬物で、この遮断を人為的に解除しました。するとどうでしょう、ネ...2007/12/25 09:08 -
- 質問カテゴリ:
- その他
- 対象ペット:
- 猫 / アメリカンショートヘア / 性別不明 / 年齢不明
米国では、かなり早い段階で去勢・避妊手術を行う先生が
いるようです。
現段階での報告では、早期の手術によって、成長後に個体が(成長
不良などで)不利益を被ることは無いとされています。
しかし、米国の若い月齢での手術のレポートを詳細に読むと、
とにかく麻酔の負担を少なくするために、出来る限り
早く手術を終わらせ無くては行けない。その時間短縮の一環として、
例えば調節呼吸(人工呼吸器を用いた)は行わない(そのための器械
を装着する時間がもったいないとか)など、時間に追われるあまり、
安全面で首を傾げたくなるような記述もあったりします。
また、技術論的にも、あまりに小さい個体は、血圧の測定・管理、
心電図のフォローも難しくなります。
先の先生のご回答にもあるように、臓器の発達の面からも
あまりに早期の手術はひかえるべきだと、思いますよ。
2007/12/22 00:59 -
- 質問カテゴリ:
- その他
- 対象ペット:
- 猫 / ゴールデンレトリーバー / 性別不明 / 年齢不明
脾臓は血液を一時的に貯留しているところです。脾臓が腫大する
原因は色々あります(例えば腫瘍だったり)が、以前、当院で、腫れた脾臓を放置して(飼い主の同意が得られず手術は出来ませんでした)脾臓が破裂して、出血多量で死亡した症例がありました。解剖所見も単なる脾臓腫大だったので(腫瘍ではなく)、あの時手術をしていれば・・・と後悔しあったことがあります。
>脾臓肥大の原因がわからないまま、
>肥大しているからということでま
>ずは摘出してしまったほうがいいのでしょうか
あなたの悩みも当然です。
一番良いのは、CTをとって、脾臓の状況を詳細に確認してからの手術だと思います。関東ならば民間の検査センターもありますから、担当の先生の病院になければ、直ちに紹介してもらって下さい。
もし、CTが無理というのであれば、上記のような
事(破裂による失血死)も稀ですがあり得るということを認識して、...2007/12/21 18:37 -
血球(血小板もそうですが)を測定する器械は、設定した微細な穴を、計測したい目的細胞(この場合血小板)が通るときの電気抵抗から計測します。しかし、キャバリアの血小板は、その形状が一般的なイヌの血小板の形状とは異なるので、しばしば、一般的な器械ではエラーが出ます(数値が低く出ます)。
>血液検査だけで『血小板減少症』と言えるのか
特にキャバリアに関しては、器械測定での血小板数は
まったくあてになりません。
紫斑や出血斑が出ていないので、それを傍証にしても良いですが、
血小板機能を確かめるためには
①実際の計測
②Bleeding Time(出血時間)の測定
③血小板凝集能の測定
です。
③は、特殊な器械が必要なので、一般の病院では出来ません。
②は、慣れていないと出来ません(イヌがかわいそうですし)。
2007/12/21 01:56 -
- 質問カテゴリ:
- 手・足の異常
- 対象ペット:
- 犬 / ミニチュアダックスフンド / 性別不明 / 年齢不明
最も良いリハビリは、プールに浮かせて(四肢に浮き輪をつけます)、四肢を動かすリハビリですが、国内では、病院、飼い主の自宅ともに、施設・設備的に多分無理でしょう。
一般的なリハビリは、(後)足の曲げ伸ばしなどですが、おそらく、退院の時に、細かいリハビリの方法を教えてもらえるはずです。一日できれば1~2時間は行う必要があると思います。
当院の子でも、術後1ヶ月ごろからメキメキ良くなってきた症例がいますので、がんばってリハビリしてあげてください。
2007/12/17 20:47 -
>伝染性腹膜炎の数値が800ということでグレーゾーンと回答
あなたは少々誤解されていると思います。
おそらくそれは伝染性腹膜炎(FIP)ではなくてコロナウイルスの抗体価です。
コロナウイルスは比較的罹りやすい疾患で、そのコロナに
罹ったこの数%程度(劣悪な環境で10%程度と言われています
)にコロナウイルスの遺伝子組み換えがおこりFIPが発生する
といわれています。
そもそも多等飼育(保護センターなどの場合)には
米国の報告ですと、80%はコロナの抗体価陽性と
言われています。
つまり、現時点でFIP典型的な症状が出ていない場合
(ここが重要)、この子はあくまでコロナウイルス感染症で、将来この子にFIPが発症する可能性は数%から10%程度ということです。更に言えば、この子から、先住ネコさんにコロナが感染して、そしてFIPが発症する可能性もその程度ということです。
>1ヵ月後にもう...2007/12/16 11:11 -
- 質問カテゴリ:
- ケイレンをおこす
- 対象ペット:
- 犬 / ミニチュアダックスフンド / 性別不明 / 年齢不明
発作は、頭部の問題(てんかん、水頭症など)、内臓の問題(肝臓など)、心臓の問題(不整脈など)に大別されます。
このうち、内臓の問題は、血液検査であるていど
簡単に診断可能です。
さて、頭部の疾患と心臓疾患との区別ですが、顕著な
症状であれば、どちらが原因か、飼い主さんのお話で経験的に
わかるものです。しかし、症状が軽ければ(幸いなこと
なのですが)、どちらか分からないことが良くあります。
その場合は、検査するしかありません。
頭部の問題は、MRI検査が有用ですが、CTで代用される
場合もあります。また、神経学的な検査、問診(痙攣の
仕方や、例えば目の動きがどうだったとか・・・・)
で、仮診断することもできます。
CT、MRIも万能ではありません。最も多い真性のてんかんは、実は画像上は何もうつりません。下記の心臓疾患や、脳腫瘍
、水頭症などを除外診断して、結果として『てんかん』しか...2007/12/15 18:33 -
私も先のご解答をなさった今本先生と同意見です。
>毎年は必要ないとの見解がありました
米国のワクチンのデータでは一部そのような発表も
ありますが、逆にヨーロッパのデータでは、毎年
接種していても免疫が付いていない子もいるというデータ
もあるのです。しかも米国のデータも、全ての
分画(パルボとかジステンパーとか)にそのように
言っているのではありません。レプトスピラ
の部分は半年に1回接種との推奨もされています。
当院では毎年百例程度ワクチンの抗体価を測って
いますが、毎年接種していないと免疫が持続しない
個体も結構います。そのような子が、数年もあけると
とんでもないことになります。
>身体に負担があるとの事です。
負担という意味をどういう風に理解するのかに
よります。ヒトでも例えば、高齢者などにはインフルエンザワクチンは毎年接種しましょうと啓蒙してますよね。
そういう意味では、毎...2007/12/15 16:52 -
当院でも、6歳チワワの環軸亜脱臼の子の症例を最近経験した。
その症例は、初めはコルセットで補助し、なんとか
筋肉でささえていましたが、再発(痛みがひどくなりました)しました。そして、再発時に専門医に紹介して、手術で完治しました。
>リスク対効果という点で手術は勧められませんでいたが手術したほうが良いのでしょうか?
この手術の問題は、リスクも無論そうですが、手術を出来る
先生が自体がほとんどいないことなのです。
私の病院のある関東では、数人しかできないと思います。
この回答をした担当の先生は、手術が出来る先生でしょうか?
手術の経験があってそういわれたのかどうかが
重要なポイントだと思います。
私も自身で出来ないのでえらそうには言えないのですが、
当院の症例のとき、手術を立会いで見たのですが、
この手術に慣れた先生ならば、特に問題なく普通に
行うのだな(緩慢な言い方ですみま...2007/12/15 16:31 -
ご心配のことと思います。
>今後の打つべき手がわからなくなってしまいました
病気というのは検査して、障害部位を突き止めないと
解決しません。そういう意味では、わからないときは、
検査をするしかありません。血液検査と、
CT(もしくはMRI)検査はしたいところです。
チワワさんですから、水頭症も疑われますが、
体を触ると痛がるということから、環軸(首
の骨のあたり)系の疾患も心配です。水頭症
であれば関西では大学以外でも手術を実施し
ている病院が比較的多いです。環軸系の手術は
国内でもかなり限られてきます。
水頭症、環軸ならば、CTで検査可能だと思います。
>検査は全身麻酔だから奨めたくない
たしかに、MRIは2時間、CTは数~十数分の全身麻酔が
普通です。しかし、非常に稀に、動かない子に無麻酔で
CT検査(MRIは不可能ですが)することがあります。
>興奮させることで...2007/12/14 18:30