栗尾雄三 先生からの回答
獣医師の栗尾と申します。
ホルモン検査に関する質問ということになりますね。
重要なことはホルモンというのは、日内変動するという最大の特徴があります。
例えば代表的なホルモンとしてインスリンがあります。
インスリンは常に分泌されますが、食事をとることで多量に分泌されます。「食事をとる」という刺激によって分泌されるわけです。
あとは成長ホルモンは夜間に活発に分泌されます。
女性ホルモンは、妊娠や出産のときなどに大きく変動しますね。
(妊娠したけど、母乳が出ないのは正常ではないと分かっていただけますね?あとは食後にインスリンが分泌されないのは糖尿病と呼ばれます。)
そういった具合にホルモン分泌というのは常に安定しているわけではありません。なので、どうやって病気を見つけるかとなるのですが、、、
「ホルモンが出ないといけないときに出るか出ないか」で判断しないといけないわけです。
それで検査のために「出ないといけないとき」というのを作る必要があります。それがコルチゾールでいうACTH刺激試験となります。
刺激試験を行わずに体内のコルチゾールを測定しても、ホルモンが必要のない状態だから数値が低くても問題ないとなってしまうわけです。
あと、投薬後の検査についてもそれらに関連するので、刺激試験後の測定が理想的です。ただ、近年は刺激試験を行わずにコルチゾールを測定するという検査方法もあるといえばあります。数値の変動幅が小さすぎるため、まだスタンダードな方法とはなっていません。時間や費用が許すのであれば刺激試験を行ったほうがベストだとは思います。
ご納得いただけたでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
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konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三
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どうぞよろしくお願いいたします。
2021/08/06 18:23 参考になった! 0










ACTH刺激試験の仕組みを解説して頂けますか?
ACTH刺激試験について質問です。
クッシング症候群ではコルチゾールが過剰に分泌されると言うことですが、そうであれば単純に体内のコルチゾールを血液検査で採取すれば、診断がつくのではないか?と単純に素人である私は考えてしまいます。
また、薬(トリロスタン)をあげた後であればコルチゾールは下がると言うことですが、検査の際にACTHで刺激をした後の数値を参考にする理由がよくわかりません。単純に薬をあげた後、体内のコルチゾールが投薬前と比較してどれほど下がっているのかを調べればいいのではないか?と考えてしまいます。
大変無知で申し訳ないのですが、刺激試験の仕組みをわかりやすく教えて頂くことはできますでしょうか?特にトリロスタンの量をこの試験によって決められる理由が正直さっぱりわかりません。